かつての医療部ラボにおいては、クローンを作り魔導力に関する研究が広く行われていた。当時、生まれたラボで研究対象から外された1)子供は問答無用で見放されていた。その子供たちを責任を持って育てるべきであると提唱したのが栢憲彰である。元々運営に絡んでいて顔が利く為、かなり強引に栢ラボを立ち上げたが、存在そのものが医療部ラボの暗部を露骨に示すが故に当初は大層煙たがられた。後に栢の立場が上がるにつれてそれは減少した。
その後の体制の変容に伴い、軍のラボラトリでクローンを作ること、および研究対象から外れた子を育成を目的に孤児院に押し付けることは固く禁じられた為、現在では稀に軍外生まれのクローンが故あって引き取られる程度だが、孤児院としての機能が形骸化した後も出身者の寄り合い所のような役割を果たしている。
ラボラトリ医療部内の代表的な孤児院は他に都築孤児院があるが、こちらはラボ生まれのクローン以外を引き取って育てている。
栢憲彰……室長。医療部ラボでは最古参。